今年上半期(1~6月)に、上海の日本総領事館管内(上海市、江蘇・浙江・安徽・江西の各省)で死亡した邦人は20人に上っていることが17日までに明らかになった。
昨年同期比では2人減となったものの、1カ月に3人以上の邦人が死んでいる計算だ。
死因の9割が病死だが、今年は昨年通年で無かった交通事故による死亡も新たに確認。
在留邦人は健康管理に加え、「生活・業務に潜む危険」をこれまで以上に注意する必要がありそうだ。
同期の死者20人のうち、病死は18人だった。
なかでも脳卒中や心筋梗塞(こうそく)による死亡が多く、仕事上のストレスや偏った食生活などで死に至るケースが目立った。
また、出張中の40代の男性が宴席で多量の飲酒をした後にホテルの部屋に戻った後で倒れるケースもあった。
翌朝になっても部屋から出てこないため同僚が部屋を見に行ったところ、既に死亡していたという。
白酒等の「一気飲み」の慣習が根強い中国の宴席で、無理な飲酒が死亡につながったケースといえそうだ。
<<バスにはねられ死亡>>
昨年は通年で全く無かった交通事故による死亡が、今年以降2件も発生したのも新たな傾向として注目される。
上海在住の50代の日本人女性が、市内のバスロータリー付近を歩行中に後方から来たバスにはねられ死亡するという悲惨な事故があった。
また、日系企業が多く進出している江蘇省蘇州市では、タクシーに乗っていた男性出張者が自動車3台の絡む事故に巻き込まれ死亡するケースもあった。
いずれも通常の日常生活や業務の途中で死亡した形で、日本人の誰もが死亡事故に巻き込まれる可能性があること示している。
<<犯罪被害は128件>>
一方、同期に上海の日本総領事館に報告のあった日本人の犯罪被害件数は128件で、昨年同期比で5件減少したがほぼ横ばいとなった。
このうち、置き引きやスリなどによる旅券(パスポート)や財布の盗難被害が約8割を占めた。殺人などの凶悪犯罪に巻き込まれるケースは報告されていないものの引き続き注意は必要なようだ。
また、見知らぬ女性や客引きに声をかけられ、一緒に入った飲食店で多額の請求をされる、いわゆる“ぼったくり”の被害も数件報告されている。
こうした被害は総領事館に報告されないことも多く、被害は後を絶たないという。
<<邦人退去処分も>>
北京五輪開会中の北京で公安当局が外国人に対する取り締まりを強化していることを受け、開会を前に日本人が思わぬ処分を受けるケースもあったようだ。
公安部は中国に滞在する外国人の旅券所持を厳しく取り締まっており、同総領事館でも滞在する日本人に旅券を携帯するよう注意を呼びかけている。
中国の外国人入境出境管理法では、中国に在留する満16歳以上の外国人に旅券を常時携帯するよう義務付けている。このため、首都・北京では日本人3人が国外退去処分を受けたとの情報もある。
なかには、北京市内の日本料理屋で日本人女性が食事していたところ、旅券の提示を求められたが所持していなかったため、ビザ取り消しと国外退去処分になったケースもあったという。
<<「ビザ更新時」に注意>>
また、上海では、旅券をめぐる新たな事例も報告されている。
中国ではこれまで、査証(ビザ)更新で公安当局に旅券を預けている間に、出張などで国内を移動する場合、査証更新時に公安が発行する証明書を所持していれば、旅券を所持しなくても国内移動が認められる場合があったが、最近は警告や罰金を受けるケースもあるという。
上海の日本総領事館によると、上海在住の日本人男性が、公安の証明書を持って大連に出張した際、宿泊先のホテルで「パスポートを持っていない」として宿泊を断られたといい、地域間での対応の違いも浮き彫りになっている。
北京五輪開会中という中国全土での厳戒体制の下、今後も日本人が事件・事故に加え、思わぬトラブルに巻き込まれるケースも予想されている。
上海の日本総領事館は、「最新の治安関連情報の入手に努め、周囲の状況に注意を払うなど安全確保に努めてほしい」と改めて注意を呼びかけている。
- 作品名
- 上半期で日本人20人死亡、上海総領事館調べ(中国)
- 登録日時
- 2008/08/18(月) 14:18
- 分類
- ASIA::P.R.O.China